株式会社ハグカム、オンラインスクールの導入ハードルを下げるため「Vonage Video API」を活用し、より使い勝手の良いアプリを開発

専用アプリにより、保護者や子どもとのコミュニケーションを活性化

2015年9月に設立され、教育サービス事業や子供向けオンラインスクール事業を展開しているハグカム 。現在は、子どものためのオンライン英会話「GLOBAL CROWN」、法人向けオンラインレッスンなどのサービスを提供しています。GLOBAL CROWNの講 師はすべて日英バイリンガルで、授業はマンツーマンで担当。日本語でのフォローがあることで、子どもたちは親のサポートがなくても安心してレッスンを受けることができるようになっています。そのねらいについて取締役の松山先斗氏は「単なる知識 教育にとどまらず、行動力や発想力、人間力を養うため、子どもの好奇心を育てることに注力しており、教育活動を通じてコミュニケーション力を高めていくことも目指しています」と語ります。

GLOBAL CROWNのレッスンは専用のiOS/Android用アプリを通じて行われます が、充実した報告機能が備わっているのも大きな特徴です。保護者はアプリから現在のレベルやレッスンの進捗、習得した英単 語数・ワード数等が確認できるようになっています。また、レッスン後には授業の内容や子供の様子など詳細を記載した報告メールを届けることで、保護者はその日のレッスンの状況を把握することが可能です。

この報告メールには、先生から子供に向けたメッセージと次回のレッスンに向けた宿題も載っており、またレッスン後にアプリから先生へ評価のメッセージを送ることもでき ます。こうしたやり取りを通じて子どもが先生を好きになり、さらに好きな先生と楽しい英語のレッスンを続けることで、子どもは 「英語が好き」になっていくそうです。 

カスタマイズにおける柔軟性の高さとグローバルでの実績を評価

GLOBAL CROWNのサービスを支えている専用アプリですが、開発された当時は、他の多くのオンラインスクールは既製のビデオツールを使用していたといいます。しかし、既製のビデオツールはパソコンに慣れている人に向けたツールであり、そうでない人にとっては導入のハードルが高く、操作も一から覚えなければならないという問題がありました。そこでハグ カムでは、皆が日ごろから操作に慣れているiOS/Android用アプリで提供することができれば、導入のハードルを大きく下げられると考えたのです。また、アプリにすることで、レッスンだけでなく必要な教材も一緒に提供することができるというメリットもありました。 

そこで同社は専用アプリの開発を進めること になったのですが、その際に「Vonage Video API」を活用することにしました。Vonage APIについて松山氏は、旧称のNexmo(TokBox O p e n T o k )時代から注目していたといいます。「各種コミュニケーションチャネルを活用したアプリ開発の分野では、日本よりも海外のサービスの方が先進的であるという認識がありました。その中でもVonage APIはカスタ マイズにおける柔軟性に優れており、大手グローバル企業にも採用されるなど多くの実績もありました」 

同社は会社設立前の2015年5月にVonage(旧称:Nexmo)へ問い合わせを行い、7月には「Vonage Video API」を活用したアプリの開発をスタート。具体的なレッスンなどの組み立てを進めてテストを実施しました。そして、11 月には導入を完了させ、正式にサービスを開始させたのです。 

コストを抑えつつ迅速・容易にコミュニケーションチャネルを立ち上げられる

一般的に、新たなコミュニケーションチャネ ルを立ち上げる際には、巨額の投資が必要とされます 。また、ITスキルを持つ人材を十分に確保する必要もあり、これらに余裕のない企業にとっては高いハードルになっています。こうした課題を解決するのが Vonage Video APIで、コストを抑えつつ迅速・容易にコミュニケーションチャネル(ビデオ通話機能)を立ち上げることが可能です。 

まず、利用開始に必要な手続きは全てオンラインで済ませることが可能です。また、各種のコミュニケーションチャネル機能を「クラウドAPI」として提供するため、APIを既存システムから呼び出すだけで機能を付加できるようになっています。 

そして、柔軟なカスタマイズを可能にしているのがシグナルの機能です。レッスン画面を作成する際に、この機能を使用すると、かなり自由にレッスンで使用する機能を組み込むことができます。例えば、講師が映っている画面横の教材のボタンを押すと、シグナルが飛んで生徒側のアプリでそれに応じた動作が実行されるといったように、その画面の中だけで連動した操作を完結することができるのですが、これが他社のサービスでは難しかったといいます。レッスン画面とは別にソケットサーバーを介さないと教材を呼び出せないなど、面倒な工程が増えてしまうのです。 

また、他のサービスでは管理画面(ダッシュ ボード)が提供されないため、自分達で作り込む必要がありました。一方、Vonage APIではInsights ダッシュボードが標準で備わっており、通信の状況や障害などを的確に把握できるため、ユーザーへのサポートでとても役 立っているそうです。このように、Vonage Video APIは必要な機能をワンストップで提供し ているため 、余計な開発が不要 。システムも安定して稼働しているため、余計な手間がかからないといいます。 

教材の充実など、さらなる機能改善を進めたい

こうしてサービスの提供が始まったわけです が、アプリの評判は上々のようです。オンラ インスクール運営のリーダーを務める高橋奈 佑氏は「インストールやログインなどで迷うことが一切なく、とても楽だという感想が届いています。インターフェースがわかりやすいため、迷うことなく直感的に操作できるようです。自習用教材の提供や、レッスン記録がしっかり残ることを評価する声も多いですね」と語ります。 

サービス自体に対するユーザーの満足度も高 まっており、継続して利用する人がとても多いそうです。また、昨今のコロナ禍により、 リアルの英会話教室から移行してくるケースがかなりのペースで増えているともいいます。 

ハグカムでは今でも継続的にアプリの機能改 善を行っていますが、今後については読み書き、 特にライティング機能の追加や、教材の充実、 さらにはユーザーの利便性向上のため SMS 認証も盛り込むことも検討しています。松山氏は「開発者、管理者の立場からして、Vonage API は非常に使いやすいですね。また、Vonage は日本語サポートがあるだけでなく、テクニ カルなこともしっかり調べて回答してくれるので、すぐに問題を解決できるのがありがたいです。以後も引き続きご支援いただきたいですね」と期待を語ってくれました。