「次のノーマル」を見極める。コロナで変わるカスタマー・エンゲージメント

Vonageは、2020年のThe Global Customer Engagement Reportを公開した。この報告書は、企業とのコミュニケーションにおける消費者の行動や、好みのコミュニケーション手段などに関する調査データをまとめたものだ。これまで毎年1月に行われており、今年も日本を含む4大陸14か国に住む18歳から55歳までの5000人の消費者を対象に実施された。ところが世界的なコロナウイルス感染の拡大により大きく状況が変化したため、8月にも同様の調査を追加。結果として、パンデミックの前後を比較するタイムリーなものとなっている。 チャネルは多様化へ。従来型音声通話は減少...

Globe and customers with API icons

Vonageは、2020年のThe Global Customer Engagement Reportを公開した。この報告書は、企業とのコミュニケーションにおける消費者の行動や、好みのコミュニケーション手段などに関する調査データをまとめたものだ。これまで毎年1月に行われており、今年も日本を含む4大陸14か国に住む18歳から55歳までの5000人の消費者を対象に実施された。ところが世界的なコロナウイルス感染の拡大により大きく状況が変化したため、8月にも同様の調査を追加。結果として、パンデミックの前後を比較するタイムリーなものとなっている。

チャネルは多様化へ。従来型音声通話は減少

今回の調査で明らかになったのは、パンデミックが新たなコミュニケーション・チャネルへの適応を加速させたという点だ。消費者が企業や組織との連絡を取る上で最も多く使ったのはパンデミック前も後も音声通話だったが、特に利用が多かった携帯は8月の調査では減少しており、別のチャネルに流れたと見られる。

またチャネルの嗜好においては、世界的に細分化が進んだことも分かった。同じ通話でも、メッセージング・アプリでの通話、ビデオ通話を好む人が増加した。メッセージングにおいても、メッセージング・アプリを選ぶ人が増加し、選択が多様化している。

日本においても傾向は世界と同じで、事業者とのコミュニケーションに携帯の音声通話を好む人は減少し、ビデオ通話を好む人が増加した。ただし、世代別で見ると嗜好はかなり違う。40歳以上ではウェブページやモバイルアプリから直接クリックして通話する方法、そして意外にも郵便を好んだ人が増加した。40歳以下では、ショートメール、ビデオ通話、メッセージング・アプリでの通話を好む人がかなり増え、ショートメール以外は世界的な傾向と一致している。

顔の見える選択肢。感染拡大でビデオ台頭

多様化するコミュニケーション手段の中でも、世界的に大きく支持を得たのがビデオだ。コロナ禍で対面が困難になり、音声通話やテキストメッセージだけでは不十分と感じる人が増えたせいだと報告書は指摘している。特にビデオチャットの利用は世界的に急増しており、株式会社ジャストシステムの4月の日本における調査でも、約6割の人が利用が増えたと回答していた。

もっとも報告書は、消費者のビデオを好む傾向は明らかだとしながらも、コミュニケーション・チャネルとしては、業界により向き不向きがあるとする。安易に取り入れるよりも、費用面や効率を考慮し、本当に必要かどうかの判断をすべきだとしている。

グローバルカスタマーエンゲージメントレポート
コミュニケーションを阻む最大のハードルを見つけ、解決する
当社は、世界各国の消費者5,000人にコミュニケーションに関して最も不満に思っていることや好みを尋ね、組織がどうすれば障害なく、また効率よく顧客エンゲージメントを向上できるかを調査しました。

激変した消費者行動。企業の勝ち組・負け組が鮮明に

業界別のカスタマー・エンゲージメントにも、大きな変化が起きたことが分かった。世界的に、旅行などのレジャー産業は実質停止状態となり、金融・保険では横ばい、医療等は減少という結果になった。逆に増えたのが、教育、小売り・Eコマース、メディア・エンタメ(ゲーム、マッチングアプリを含む)、宅配(輸送、物流)だった。日本も全く同じ傾向で、学校休校、オンライン授業の拡大、自粛による外出の減少、巣ごもり消費などが影響したと見られる。

報告書は、コロナ禍で消費者の行動の進化が加速し、1年もしないうちに業界全体を恒久的に変えてしまったと述べる。総務省統計局の調査では、これまで伸び悩んでいた日本の高齢世帯主世帯のネットショッピングがコロナ禍で大きく増加し、いまや3割が利用するまでになっている。これは行動変化の典型的な例と言えそうだ。

次の時代を勝ち抜く。マルチチャネルこそ勝利のカギ

さて今回の調査で、事業者とのコミュニケーションで消費者が世界共通で最も不満に感じていることは、「相手が変わるたびに同じことを説明しなければならない」、「電話がつながらない」の2点だとされている。日本の2019年のお客様窓口利用に関する調査でも、電話、問い合わせフォーム、メールという従来型の手段では、「つながらない、待たされる」、「返事が遅い、こない」といった苦情が出ていた。対照的にチャットの利用者からは、「時間や場所を選ばない」、「待たされない」など肯定的な意見が多かった。

報告書は、顧客の不満はカスタマー・エクスペリエンスを大きく損なう問題で、解決のために別のチャネルを選択肢として用意すべきだと述べる。消費者が好むチャネルの多様化は調査からも明らかであり、複数チャネルのカスタマー・エンゲージメント戦略を持つ事業者こそ、「次のノーマル」を勝ち抜くことができるとしている。

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