メディアトラフィックを国内サーバに限定する「リージョナルメディアゾーン」が日本でも利用可能に

Vonageは、同社のVonage Video APIプラットフォームのライブビデオチャット機能のオプションとして、各国や地域の個人情報に関するコンプライアンスに対応した、高度なセキュリティオプション機能「リージョナルメディアゾーン(Regional Media Zones)」をすでにリリースしているが、今回新たに日本も適用範囲に加えたことを発表した。

Video chat between student and teacher

Vonage Video APIプラットフォームのライブビデオチャット機能は、世界150ヵ国以上で利用されており、13ヵ国同時利用の実績もある。このように、Vonage Video APIプラットフォームはグローバル規模で活用されているが、状況により国や地域によって異なる個人情報やプライバシーポリシーの要件に適応する必要がある。例えば、メディアトラフィックを特定の地域または国に対して制限またはジオフェンス(仮想的な地理的境界線)に沿ってプライバシーの境界を設定しなければならない場合がある。こうしたきめ細かなレベルでのコントロールをサポートするために、このたびVonageではVonage Video APIプラットフォームのオプションとして、トラフィックを地域のゾーンごとに管理する「リージョナルメディアゾーン」の提供を日本でも開始した。

リージョナルメディアゾーンでは、同一の地域にある1つまたは複数のデータセンターを1つのゾーンとして区分する。ゾーンの領域は最大で大陸レベル、最小で国レベルに対応しており、メディアおよびシグナリングトラフィックはゾーン内に位置するデータセンターでのみ扱うことになる。現在、日本、EU、米国、ドイツ、カナダ、オーストラリアのゾーンに対応しており、今後ゾーンを増やしていく予定だ。

リージョナルメディアゾーンは、日本を始めとする各国の企業がそれぞれの個人情報保護法、並びにプライバシーポリシーに遵守する上で役立ち、違反した場合の罰則のリスクを回避することができる。例えば、オーストラリアの情報コミッショナーは、米国に本社を置くソーシャルメディア大手のFacebookが、米国での政治広告のためにオーストラリアのユーザーの個人情報を同意なしに地域をまたいで利用したとして、1998年のプライバシー法違反で提訴している。こうした理由により、各国の企業は、それぞれの地域の個人情報保護法やプライバシーポリシーの要件を遵守するために積極的な措置を講じる必要性が出てきている。

情報の移動を規制する環境は世界各地で着実に厳しくなっており、多くの地域で専用のメディアゾーンの必要性が叫ばれている。ガートナー社によると、GDPR(EU一般データ保護規則)が発効されて以来、世界の60以上の国/地域で、時代に即したプライバシー法やデータ保護法が制定および提案されている。

日本も例外ではなく、GDPRに対応する必要がある。これまで、日本でも個人情報を含む各種のデータが、自国以外で運用されているデータセンター(サーバ)に保管されているケースが見られたが、昨今の個人情報保護法の強化や国際情勢にまつわる情報漏えい等のセキュリティリスクを回避するため、個人情報だけでなく、個人の特定につながる可能性がある音声、画像、ビデオデータなども国内のデータセンターに移転し、管理していこうとする機運が高まってる。業種においても特に機密データを扱う金融業界や医療業界における個人情報の取扱いが厳格化してきている。

例えば、国内の医療業界では「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」が策定されており、生命に関わる情報を扱う医療分野特有の厳格な要件が定められている。さらに、現在コロナ禍の影響により、オンライン診療の普及が待たれているが、ビデオチャットツールにリージョナルメディアゾーンの機能を導入することにより、患者の診療に関わる個人データを国内で安全に処理することが可能になる。つまりリージョナルメディアゾーンにより、医師と患者のビデオツールを介した音声、画像、ビデオ、チャットによるプライバシーに関わる可能性があるコミュニケーションのトラフィックが他国に置かれているサーバを経由することなく、日本国内のトラフィック通信に限定することが可能となり、法令を遵守できるようになる。

リージョナルメディアゾーンの主な特長

・ 国内のデータセンターのみ経由することで、セキュリティが向上

・ メディアおよびシグナリングトラフィック(音声とビデオ)を日本国内のサーバに限定することにより、遅延を削減し、品質と安定性の向上を実現

リージョナルメディアゾーンの利用方法

リージョナルメディアゾーン機能は、Vonage Video APIプラットフォームのオプションとして提供されている。利用開始するには、まずVonage Video APIアカウントにおけるプロジェクトのプロジェクトAPIキーと指定したいゾーンを設定する。プロジェクトが指定されたゾーンに設定されると、プロジェクトAPIキーで作成された全てのセッションで、ゾーン内にメディアトラフィックを限定できるようになる。

Tetsuro Nishimura
By 西村哲郎 マネージングディレクター

Vonage Japan

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